生きたまま死んでいるヒトは死んだまま生きているのか?
<1996年バニョレ国際振付賞受賞作品>
初演データ
構成・演出・振付:伊藤キム
出演:伊藤キム、遠田 誠、白井 剛、前田紀和
美術:伊藤キム
照明:足立 恒
照明オペレーター:森島都絵
音響:藤居俊夫
舞台監督:高橋大輔
衣装:戸田由喜子
音楽:F.メンデルスゾーン、M.ラベル
初演:1995年9月15日東京芸術劇場小ホール
上演時間:30分
この作品は、作家・丸谷才一の「今の日本人は生きているのか死んでいるのかわからない」という言葉からインスピレ?ションを得ている。決められたことを機械のように繰り返すだけで、自分の頭で考えることをしない日本人を揶揄したこの言葉は、伊藤を強く刺激した。
医学の発達のおかげで、生と死の間にはっきり境界線を引くのが難しくなってきた現在。頭は死んでいても体は生きている脳死のヒト、体が死んでいても頭が生きている植物人間。そして死を境に全体はゆくっりとモノ化していく。自分の頭で考えなくなった人たち。文明に占領されて役割を持たない体。機能しないヒトに意味は?
この作品では、余分なものを一切排除したシンプルな振付と構成で、生身のからだの持つ魅力と表現の強さが前面に出され、さらに、生と死、聖と俗、動と静など、相反するものが表裏一体となって表現される、人間の根源的なテ?マに焦点をあてた作品である。また、伊藤独特のユーモアをまじえた演出で、声を出して笑えるような場面もあり、幅広い人々に、楽しんでもらえる作品である。